2025/01/31
小学生の頃から家庭で学習する習慣が身につくと、保護者としては安心だと思います。しかし、家庭学習の適切な方法や効果的なやり方がわからないという人も多いでしょう。
今回は、家庭学習のポイントについて上岡教授※にインタビューしました。家庭学習の取り組み方や考え方など、ぜひ参考にしてください。
(※武蔵野大学 副学長 教育学部長 元桐朋学園小学校 教務主任 所属や肩書は発行当時のものです。)
※本記事は株式会社Relicとプリゼロを運営する大阪ガス株式会社の連携企画としてカンガエMAX。のコラムに掲載されている記事を許可を得て転載しています。
――家庭学習はどのようなものとお考えでしょうか。
まず、大前提として、子どもだけに家庭学習を促そうとしても、なかなか習慣化するのが難しいのではないかと考えています。私は家庭学習とは「家族みんなで取り組む学習時間」と考えています。
子どもは勉強、保護者は仕事や読書、新聞を読むなど、全員が静の時間を過ごしましょう。基本的に子どもは大人の真似をします。そのため、保護者が決まった時間に継続して静の時間を演出することが大切です。
家族みんなが学習に取り組む時間を意図的に設けることで、習慣化がしやすくなります。
習慣化と聞くと「毎日そのような時間を作らなければいけないか?」という質問を頂きますが、そんな事はありません。ご家庭によって一日の過ごし方が違うので、やりやすいタイミングかつ継続できる形で取り組むことをおすすめしています。たとえば朝が早いご家庭は朝に、夕方に時間を取りやすいご家庭は夕方に。毎日でも1日おきでも、週に2日でもいいと思います。時間帯や家庭学習に取り組む時間を決めて、それを習慣化することに重きをおくべきです。
――家族全員で習慣化することが大切なんですね。
実際、このように家族全員で家庭学習の時間を設けようとすると、約束を破ってしまうのは子どもよりも大人のことが多いです。忙しいうえにやることも多いので、当然といえばそれまでかもしれません。ですが、子どもは大人のことをよく見ています。決めた時間に必ず取り組むように、大人の頑張りが欠かせません。
そのため、無理に子どもにあわせるのではなく、家族みんなで取り組める時間、回数にすることが大切です。また、家庭学習の時間は日常と異なるという認識をつくるために、テレビや音楽を消すなども効果的です。
こうした取り組みを続けることで、子どもにも自然と家庭学習の習慣が芽生えますし、その時間をキッカケに子どもの取り組んでいる勉強について親子で自然に話をする機会が生まれますね。
――家庭学習で保護者が大切にすべきことは何でしょうか。
ヒントを出すことです。
教育の世界で「足場かけ」と言いますが、子どもがもう少し頑張ればできそうな状態にしてあげることが大切です。もちろん、子どものタイプによってどのような支援が有効かは変わるので、その子にあわせてヒントの出し方を調整する必要があります。
これは、小学生にとって目の前の問題を乗り越えられたという経験が、非常に重要だからです。長い時間、問題が解けない状態をつくってしまうと、自分にはできないという無力感に苛まれます。教育心理学の世界で、このように繰り返し無力感を獲得(学習)してしまうということで「学習性無力感」といいます。無力感を学習してしまい、自信のなさにつながり、そもそも嫌い、やりたくないとなってしまうのです。
――たしかに、自分で解くという努力や忍耐力を重視しがちですね。
ポイントは、大げさかもしれませんが、子どもに万能感をもたせることです。
小学生が勉強に取り組むうえで理想的なのは、勉強が「できる」「楽しい」と感じられることでしょう。問題が解けるようになった、解けたら褒めてもらえた、という成功体験を積み重ねることで、褒められたいから勉強するというポジティブなサイクルが生まれます。これは「学習性無力感」に対して「学習性肯定感」といえるでしょう。
努力や忍耐力も人として非常に重要です。とはいっても、そればっかりでは頑張れません。
家庭学習を通して「勉強ができる、楽しい」という状態を作れるといいですね。
――万能感をもたせすぎることへの不安を感じる保護者もいると思いますが……。
小学生は自信に満ちているくらいが良いと思います。自信満々で謙虚さがないのはいかがなものか、と考える人はいるでしょうが、そもそも自信があるうえでの謙虚さと、謙虚すぎるのは大きく異なります。特に日本人は以前から自己肯定感が低いと言われています。表に出す(表現する)必要はありませんが、内に秘めたる自信は大切だと思います。
たとえば、アメリカの高校に留学している日本の学生は、よく数学の天才だと思われたりします。カリキュラムの違いが大きな理由ですね。それでもアメリカの高校生は、授業中に「数学は得意だよ! 」と自信満々に発言します。蓋を開けたらそうでもない、というのもよくあることです。彼らの自信や自己肯定感には学ぶべきところがあります。
極端な例ですが、小学生の頃は自信があっていいんです。できると信じて家庭学習に取り組むなかで、自力がついてくれば難しい問題を解けたという成功体験がどんどん増えます。そうなれば、ヒントをもらって解けていた状態から、自分でできるようになったことが嬉しくなり、もっと前向きに勉強するようになるでしょう。
繰り返しになりますが、できない状態で長い時間考えさせるよりも、できたという成功体験を優先してほしいですね。
――子どもとの接し方も大切だと感じましたが、いかがでしょうか。
その通りです。些細な会話も積み重なれば、膨大な時間になります。
たとえば家族で食事をする時間をどのように過ごすかは大切です。食事を見て、味わう。その日にあったことを話す。こうした何気ないことからも多くの知識をインプットしたり、「どうして?」と考えたりする機会が生まれます。
毎日話すとなると、保護者も日常生活でさまざまなことに関心を持つ必要が出てきますし、それを見て子どもの興味も広がるでしょう。また、保護者が楽しそうに話すと子どもは興味を持ってくれます。こうして日々の接し方、過ごし方が変わると親子の会話が増え、話す内容が広がり、教養を身につけやすい環境が生まれるというわけです。
――勉強以外で学ぶ機会も多いということですね。
新型コロナウイルスが5類になった今では、それ以前のように出かけやすくなりました。しかし。コロナ禍ではそうもいかず、体験させること自体が難しかったと思います。
実際、コロナ禍で、学校から「この課題を毎日家庭でやらせてください」と言われたと思います。ただ、漢字の書き取りや算数の計算問題がほとんどで、これでいいのか不安になった保護者は多かったでしょう。
しかし、家で勉強させようにも何がいいのかわからない、教えようにも適切な教え方がわからないという声をいたるところで耳にしました。
このときに家庭学習に使えて、考える力を伸ばせる教材の必要性を強く感じました。カンガエMAX。のはじまりは、まさにここです。
――上岡教授が監修されたカンガエMAX。についてお聞かせいただけますでしょうか。
週に1回、30分で5つの力を伸ばす学習教材です。
・文章理解力:要点や繋がりを捉える力
・条件整序力:関係性や条件を見つける力
・資料分析力:表やグラフを分析する力
・真偽推理力:理由と根拠を探す力
・法則発見力:法則や手順を見つける力
この5つの力を、12の観点で評価し、成長度合いを可視化できます。
日常生活で考える力を教えるのは難しいかもしれません。そのため、「これでいいのだろうか」と不安に思われる人が多いでしょう。
そこで、日々の会話や家庭学習の成果として考える力=論理力の成長度合いを目に見えるようにしました。カンガエMAX。の結果を、接し方や教え方が適切かどうか判断するひとつの材料にしていただけたらと思います。
論理力を高めるための教材なので、中学受験準備としても効果的です。ぜひ家庭学習に取り入れてください。
――上岡教授、ありがとうございました。
今回、上岡教授に家庭学習のポイントについてお話を伺いました。家庭で読解力や考える力を身につけたい方は、上岡教授が監修された「カンガエMAX。読解力アップ講座」や「カンガエMAX。」をご検討ください。
「カンガエMAX。読解力アップ講座」は、朝日学生新聞社が発行する朝日小学生新聞「天声こども語」の要約に取り組むことで、読解力・語彙力・常識力を育成する教育アプリです。AIによるリアルタイム添削により手軽に家庭で要約学習に取り組めます。
「カンガエMAX。」は読解力アップ講座の応用コースとして、身につけた読解力を元に考える力を育成する教育アプリです。週に30分で考える力や応用する力を身につけられる教材です。お子さんが自然に興味を持てる問題を多数揃えております。
この記事を書いた人
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